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バンド活動マニュアル
あなたはバンド活動で損してませんか 得する方法・成功のヒントを大公開
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Vol.1 スタジオの使い方で損していませんか?


まだバンドを組んだことがない方はバンドの練習はスタジオを借りてするものというイメージがあることと思います。
今現在バンド活動をしている方や過去にバンド活動を経験したことのある方は知っていると思いますが、
実際にバンドで練習するときには音楽スタジオを借りて練習することが多いですよね。

でも練習はスタジオということが当たり前だと思って疑いもせず、実はお金や時間を損していませんか?

今現在バンド活動中の方に質問をしてみました。
どのくらいのペースでスタジオに入って練習をしていますか?
スタジオ以外ではバンドで集まることはありますか?
バンドではなく個人の練習でスタジオを使うことはありますか?

こういった質問をしてみると返ってくる答えは人それぞれ、バンドそれぞれです。
このバンドでは週○回スタジオに入るなどと決まっているところも多く、
これらはもう習慣となっているため、自分のやっているスタジオの使い方が当たり前だと思っている方も多いようです。

そうなってくると上手なスタジオの使い方を考えたり見直したりする機会は
ほとんどないのではないでしょうか?

まずはバンドをまとめる基本、スタジオを借りて練習することから入ります。
実際、家では大きな音が出せないという場合が多いのではないでしょうか?
家では狭くて練習できないという方もいるでしょう。
こういった理由からバンドで練習をするときにはスタジオを借りて練習をするというのが定番になっています。

ですが金銭面の理由からスタジオに入る回数を減らしたりすることもあり、
逆に毎日スタジオに入って練習しているバンドもあります。

スタジオを上手に使うポイントは「時間」と「お金」です。

お金を節約しようとしてスタジオに入らなければレベルアップするのが遅くなり時間を無駄にしてしまいます。
「時は金なり」です。
有意義な練習をするのとしないのとでは将来成功できるチャンスも変わってくることでしょう。

これとは逆に無意味に多くスタジオに入って練習した場合、お金は多くかかってしまい、
そのお金を稼ぐためにバイトをしたりしなければならないので、結局は時間が無駄になってしまいます。
「金は時なり」なのです。


Vol.2 日本の一般家庭と防音


環境の違いから家とスタジオを比較していってみましょう。
日本の一般的な家庭の場合、防音面に関していえばバンドの練習には向いていません。

大きな音を出して練習したならば周り近所から苦情がきてしまうでしょう。
そこまで大きな音ではないといっても周りの人にとってはそれがうるさく聞こえたりすることもありますし、
夜ならばどんなに小さな音でも響いてしまって苦情がくるということもあります。

いくら鉄筋コンクリート造りの家で壁が厚いとはいっても
生活音がまったく漏れないくらいの壁の厚さということであって、
バンドで大音量を出したのならば音は漏れてしまいます。

もし不動産屋さんで「楽器を弾くので防音設備の良い部屋を借りたい」といって楽器可の物件を探してもらったとしても
「ピアノの練習くらいは大丈夫です。でも夜に演奏するのは控えてくださいね」くらいの場合がほとんどで、
バンドの練習の音量でも大丈夫というところはほとんどありません。

また、あなたが周りに音が漏れないように気をつかうだけでなく、
外からあなたの家に入ってくる音を考えた場合にも防音の重要性はわかるはずです。

あなたがひとりでアンプを繋がずにギターを弾いているとき、
となりの家のお兄さんがお風呂に入って鼻歌を歌っているのが聞こえてくるかもしれません。
外から聞こえてくる音につられてしまってリズムにのれないということもあるかもしれませんし、
音程がわからなくなってしまうこともあるかもしれません。

家の場合でも防音面の問題をクリアーしたパターンがいくつかあります。
防音の良い地下室や倉庫スペースなどがその例で、そこでは防音の心配なく練習をすることもできます。

僕の知人で二子玉川(都内の高級住宅街)に住んでいて、
広さ30畳ほどもある地下室をバンド専用に使っていてそこで練習をしているという人がいます。
僕も実際にそこへバンドのメンバーと一緒に遊びにいってみました。
音楽やファッションのジャンルで下北系などという言葉もありますが、二子玉系って言葉を作りたくなるくらいの衝撃でした(・o・;)

しかし実際に行ってみてわかったのですが、防音面では問題がなくなっていたものの別の問題が出てきていたのです。

それは湿気です。
こういった場所は湿気が多くジメジメしているのです。
そしてそれが自宅ということもあり機材が置きっぱなしになることが多いでしょう。

機械系の機材はあまり湿気には強くありません。
楽器本体は湿気に強く乾燥に弱いものが多いのですが、やはり過度の湿気は良くないようです。

地方によっては家の周辺に何もないから大きな音で練習ができるということもあるでしょう。
僕のいとこは周りに家がない農家の小屋のようなところを借りて練習に使っていました。

しかしこれらのように防音面の問題をクリアーしたケースでもまだまだ問題はあります。
防音設備がいいから完璧というわけではないのです。
クリアーした問題は防音面だけなのです。


Vol.3 演奏音量とレベルアップの関係


あなたは自宅で練習をしようとしたときに防音面の問題から音量を下げて練習していることでしょう。
ですが音量を下げて練習をするとマイナス要素がいくつもあるのです。
これらがどのようなものなのかパートごとに見ていってみましょう。


まずヴォーカルにとっては発声練習になりません。
また、小さな声では出すことのできる音程が大きな声では出せないということもあります。
小さな声では疲れずに歌えていた曲が大きな声では疲れてしまうということもあります。

実際には「練習=歌詞を覚えるだけ」になっていて、ほとんど練習になっていないのではないでしょうか。


ギターやベースで音量を下げて練習するにはアンプのヴォリュームをしぼる、アンプを繋がないなどの手段を使いますよね?
しかしアンプを通したとしても小さな出力ではアンプの特性は活きてきません。

また、エフェクターをかけたときにどんな音色・音作りになっているか
音量をしぼったアンプや家庭用のワット数の小さいアンプでは判断がつきにくくなります。

家で小さな音量でかっこいい音を作ってきてスタジオに入ってみたときに、
セッティング(エフェクターのつまみなど)をまったく変えなかった場合でも
大きな音量で鳴らしたのならばイメージの全然違う音になってしまうのです。
音量によって耳での音のとらえ方が違うのです。
もちろんアンプが違ったとしたら音が違うのは当然だともいえます。

音はあなたの個性です。

音の個性があることを「自分の音を持っている」という表現をするのですが、
これはあなたが作った個性的で変わった音ということではありません。

「ほかの音色やアレンジについてもその音がもとになっている」
「その音を聴けばあなたが弾いているのだとわかる」というような意味合いです。

もう少しわかりやすくいえば
「どんなときにでもその音を出すことができるいちばん自信のある音」というものです。

ですから個性を出すためにも最終的に出したい音の音量(大きな音量)で音作りをするべきなのです。


また、弾く強さについても変わってきます。
どのくらいの強さで弾けばどのくらいの音量になるというのが判別できないのです。

大きい音と小さい音とで音のイメージが違ってくるのには弾く強さも要因のひとつです。
家で弾いたときとスタジオで弾いたときに弦の切れる頻度が違っていたならば、それは弾く強さが違っている証拠です。

逆に音量を下げる、アンプを通さないことでメリットもあります。
特にリズムに関しては練習に良いかもしれません。

ふつうアンプでは良い音を出すための設計がされています。

もうすこし具体的に言うと、アンプで大音量で鳴らせば良い音が鳴っているようにごまかすことができるのです。
ごまかすことができるという表現は適切ではないかもしれませんが、
アンプを通すことであなたが意識していなくてもごまかされてしまうのです。

アンプを通さずに弾くのですから、ごまかしのない状態で練習ができるのです。


ドラムの場合、一般的な家ではたたくことができませんよね?

大きな音を立てないように軽くたたくことを意識していたら・・・
実際にドラムをたたく場合とくらべて叩き方や手の使い方にかなり差が出てくるでしょう。

小さい音で軽くたたいていたら疲れずにたたくことができるけど
スタジオに入って大きな音でたたいてみたら体力が続かないということもあります。

自宅で練習するためのゴム製のパッドなどもありますがたたいた感触が実際のドラムをたたいた場合とは違います。
枕などのほかのもので代用したならば当然たたいた感触がふつうのドラムとは違うということは想像できるでしょう。
自宅練習できる電子ドラムセットなども発売されていますが、やはりたたいた感触や音もふつうのドラムとは違います。

ですからメトロノームを聴いて練習をしても
たたいた感触が違うために100%リズムの練習になっているとはいえないのです。


ではバンド全体では音量とどんな関係があるのか見てみましょう。

実際に出す音量よりも小さい音で練習をするということは
バンド内でのそれぞれのメンバーの音量のバランスを聴くことができません。

これは実際に出す大きさの音で練習してこそ意味があります。


スタジオに入って大きな音で練習したと想定しましょう。

このときメンバーの誰かが自分の演奏に自信がなくて、ほかのメンバーよりも小さな音を出しているかもしれません。
そういう人は楽器の上達がおそい傾向にあります。

そこであなたが「もっとヴォリュームを上げるように」と指摘してあげるのです。

彼・彼女にとってはプレッシャーになるかもしれませんが、
もっと弾けるようにならなくてはと練習するようになるので、それによってバンドのレベルが上がってきます。

逆にほかの人たちよりも大きな音で演奏するメンバーがいるかもしれません。
そのメンバーに対しては音量を下げるようにいってあげればいいのです。

たとえ演奏がうまくても音量のバランスが悪いバンドはよいバンドとは思われないのです。


これらのことにより、十分な音量で練習できないということは上達の妨げになっているといえます。
スタジオに入らずに家でばかり練習していると成長のスピードが遅くなるのです。

その結果、たとえまったく同じことを練習しているのであっても
同じレベルに成長するまでに、家ではお金がかからないぶん時間が多くかかるという特徴があるのです。


Vol.4 環境とレベルアップの関係


自宅とスタジオとでは防音面以外にも環境の違いはまだまだあります。

まずは広さが違うといえます。

たとえば同じ広さ部屋であったとしても、
バンド練習のためだけに作られているスタジオと、生活のために作られている家とでは練習に使える広さが違います。

家の場合、ベッドやテレビやテーブルなどの生活のためのものが置いてあるのではないでしょうか?

同じ8畳の部屋といっても
バンド練習のためだけの8畳の部屋と、生活と音楽を合わせて8畳という部屋とでは
広さが全然違ってくることでしょう。

環境が違うということは意識の違いにもつながってきます。

家は生活のための環境ですから100%練習へ意識を向けることは難しくなります。

家で練習していて途中でテレビをつけてしまったり、漫画を手にとって読み出してしまったという経験があなたにもありませんか?
バンドでミーティングをしていても雑誌を読み出したりするメンバーがでてきてミーティングにならないこともあります。

また、スタジオのように時間が何時から何時までと決められていないので遅刻をするメンバーが増えてきます。

スタジオを予約していても30分遅刻してくるようなメンバーはいますが、
そういったメンバーが家に集合などというときには1時間も2時間も遅れてきたりするものです。

僕のバンドのメンバーにも遅刻常習者がいます。
スタジオには30分くらい遅刻してきて、家に集合するときには1時間半くらい遅刻してきます。
スタジオには時間通りに来るけど家に集合するときには15分くらい遅刻してくるメンバーもいました。

家とスタジオで意識が違うということは明らかですよね?


一人でも意識の低下したメンバーがいるとかなりの時間が無駄になってしまいます。
そして家の場合には意識が低下してしまう可能性が高いのです。

意識レベルが高くないと自宅練習はかなり効果が低くなり、結果的に時間を損するだけになります。


意識レベルを上げるためには
たとえバンド結成中でメンバーがそろっていなかったとしてもスタジオに入ってみたほうがいいのではないでしょうか?


環境の違いの例をもうひとつ挙げましょう。

日本の家庭では靴を脱いで家に上がるのが一般的です。
靴を履いて練習できないという点も家とスタジオの違いです。

これは、わかっていても気にしている人は意外といないのではないでしょうか?
靴を履いて練習できると言うことは自宅とスタジオとの違いで意外と見落としているポイントなのです。

靴を履いて練習するとなると当然ですが立って演奏します。
ライヴでは一部のジャンルを除いては立って演奏するのが普通でしょう。

スタジオではステージングの練習など、ライヴに近い感覚で練習ができるのです。
靴を履いて練習することはライヴの環境により近くなるので、同じ練習をするにしても効果があがるのです。

家で練習する場合も立って練習をすることはできます。
しかし靴を履いて練習をするということはできないでしょう。

靴ひとつの小さな差だと思うかもしれませんが、
それにより姿勢やバランスのとり方、力の入れ方などが変わり
ライヴでは大きな違いになることもあるのです。

また家では靴を脱ぐという環境から、どうしても座って弾くということが多くなってしまうのではないでしょうか?

座ってなら弾けるんだけど立っては弾けないということを言っている人をよく見かけます。
弾くフォームが違うのですから当然ありうる話だともいえますね。


これらのことからわかるように、環境はスタジオのほうがいいのです。
防音以外の面について考えても環境が良いほど上達が早いのです。

家の地下室などでいくら防音面に優れていたとしても、
意識レベルが低くなってしまうなどの防音面以外の環境の差が出てきてしまったのならば
時間が無駄になってくるのです。

もちろんスタジオを使っていたとしても
意識レベルが低かったのならば時間が無駄になってきてしまうのですが。


ほとんどスタジオに入らず自宅練習で済ましてしまっているあなた。
上達を遅れらせてしまっていますよ。

「時は金なり」

上達までにかかる時間が遅くなってしまって、
おいしいライヴのチャンスや売れるタイミングを逃してしまったりするかもしれません。

損をする時間の使い方をしていると、結果的にお金も損をしてしまうことがあるかもしれませんよ。


Vol.5 お金の面から見たスタジオと家


スタジオを借りて練習するのにはお金がかかります。
スタジオのレンタル料金は場所や大きさにもよって違うのですが、
1時間あたり2000円〜3000円くらいが平均的ではないでしょうか。

また、スタジオを1時間予約したからといって1時間すべてを練習に使うことはできません。
セッティング(準備)や片付けなどにも時間がかかるので1時間だけでは十分な練習はできないといってもいいでしょう。
このため最低でも2時間からと考えているバンドが多いようです。


活動に慣れてくると、
バンドで練習をしながらも他のメンバーに意見を出したりして
スタジオを借りている時間中に何度もミーティングをはさむようになります。

時間も2時間では足りずに3時間や4時間利用するようになってくるのです。

そしてこれを毎週1回、毎週2回、毎週3回などと定期的にやっていくのですから、
この料金をメンバー全員の人数でわったとしてもなかなかの負担です。

実際には週2回スタジオに入るというバンドが多いようです。

僕が今までに参加してきたバンドでどのくらいスタジオを利用してきたかを参考までに挙げてみましょう。
バンドをはじめて間もないころは2時間のスタジオを週に1度利用していました。
活動の規模が大きくなってくるにつれて週1回から週2回に増え、1回の練習時間も3時間、4時間と増えていきました。

計算してみるとかなりの金額ですよね?

気がつけばスタジオ代が毎月2万円かかることが普通になっていました。


本来ならば時間を無駄にしないために環境の良いスタジオでたくさん練習をしたいのですが、
お金の面を考えるとそうもいきません。

それに対して家で練習するぶんにはお金がかかりません。
家で練習することのメリットはなんといってもお金がかからないことですよね。

これはお金を無駄に使わないという観点から見れば非常に有意義に思えます。
ですが環境の違いから上達が遅くなり時間の無駄になってしまうこともあります。

そこで、練習の中でも「家でもデメリットの少ないこと」を考えてみましょう。
家ではデメリットが多いことはスタジオでおこない、家でもデメリットが少ないことは家でおこなうのです。


Vol.6 練習でいちばん大切なこと


練習の中でも「家でもデメリットの少ないこと」って何だと思いますか?

どんなことを練習をするか・・・曲作りは家でもできるけどライヴの練習はできないなぁ・・・
こんなことを考えたのではないでしょうか?

これらの答えはすべての人に共通のものかもしれませんし、人によって違うのかもしれません。

ですが・・・

「曲を作ること」
「曲を覚えること」

などと答えた人はいても

「ヘッドホンをつけて練習すること」
「CDを流しながらそれにあわせて練習すること」

などの答えを出した人は少ないでしょう。

これらの2つのパターンの違いは何かわかりますか?

前者の「曲を作ること」「曲を覚えること」は目的なのです。

日本語をちょっとだけ変えて文章を作ってみると
「私は曲を作るために家を使います」
「私は曲を覚えるために家を使います」
このようになります。

その結果は文章から見てわかるように
新しい曲ができたり、曲を覚えることができたりするのです。

ちゃんと成果が出てますよね?

練習の目的をはっきりさせることで、それによって得られる成果もはっきりしてくるのです。

それに対して後者は目的ではありません。
これらは方法なのです。

文章を作ってみると
「私は家でヘッドホンをつけるという方法で練習します」
「私は家でCDを流しながらそれにあわせるという方法で練習します」
こんな感じになるのでしょうか?

無理やり目的っぽく文章を作ったとしたら
「私はヘッドホンをつけて練習するために家を使います」
「私はCDを流しながらそれにあわせて練習するために家を使います」
一応は文章として成り立っています。

ですがその結果を文章から判断してみてください。
「ヘッドホンをつけて練習をすることができた」
「CDを流しながらそれにあわせて練習することができた」
このようになります。

ヘッドホンをつけて練習をすることができても成果でも何でもありませんよね?
CDを流しながらそれにあわせて練習することができても成果でも何でもありませんよね?

方法だけでは成果と結びつかないのです。

練習でいちばん大切なのは「何のために」という目的です。

目的がなければ時間の無駄になってしまいますよ。
逆に言えば、しっかりとした目的があれば時間を無駄にすることなく有意義な練習になるでしょう。

練習の目的をはっきりさせることで時間の無駄がなくなり
「家ではお金がかからない」というメリットをいかせるのです。


では、たとえば

「曲を作ること」
「曲を覚えること」
「演奏技術を高めること」
「音を作ること」

これらを目的に考えてみてください。
家でおこなうことによって大きなデメリットが出てくるのはどれですか?

これに思い当たるものを家でおこなったならば「時間の無駄」ということになります。
スタジオに入ることによって「成長のスピードが早い」というメリットをいかしていった方がいいでしょう。

家でもスタジオでもほとんど差がないものはどれですか?

これに思い当たるものをスタジオでおこなったならば「お金の無駄」ということになります。
家ですることによって「お金がかからない」というメリットをいかしていった方がいいでしょう。

もちろん例にあげた4つ以外にもありますよね?

それらについても家とスタジオのどちらのメリットをいかしていった方が有効か検討してみてはどうでしょうか?


Vol.7 メリットをいかした使い分け(個人編)


バンドではなく個人で練習するとき、練習の目的は大きく分けると4つあります。
「曲を作ること」、「曲を覚えること」、「演奏技術を高めること」、「音を作ること」です。

これら4つの練習の目的それぞれについて家とスタジオとではどちらが有効かを考えてみましょう。


練習の目的が「曲を作ること」であるとき、スタジオで作る必要はありません。
曲作りは家でもできますので、お金のかからない家がオススメです。

曲を作るときだけでなくアレンジを考えるときも同じです。

ですが、スタジオに入って大きな音で弾いていると曲が浮かんでくるということもあります。
家で曲作りをしていて行き詰ったときにはスタジオに入って曲作りをしてみるのもいいのではないでしょうか。


練習の目的が「曲を覚えること」であるときもスタジオを使う必要はありません。
あなたがドラムの場合にはスタジオを使うほうがいいかもしれませんが、
それ以外のパートならば当然家でできますので、お金のかからない家の方がいいでしょう。
曲を覚えるには家のメリットを活かしていきましょう。


練習の目的が「演奏技術を高めること」であるとき、スタジオを借りて大きな音で練習することをオススメします。

あなたがヴォーカルかドラムだったならば特にスタジオで練習する必要があります。

ヴォーカルの場合は家では発声練習になりませんし、
ドラムの場合は家で練習できる環境が実際にライヴでたたく環境とかけ離れているためです。

スタジオによっては広さが狭くて低価格なヴォーカル練習専用のブースがあったり、
個人練習で使うと安くなるプランがあったりするので利用してみるといいでしょう。

ヴォーカルの場合、カラオケに行って練習することもできます。
ただしカラオケで歌うだけなら、カラオケが得意なふつうの人たちの練習でしかありません。
バンドマンの練習方法といったらカラオケでも曲を流さずに発声の練習をしたり、
ほかのアーティストの歌を歌う場合でもカラオケのエコーを切ったり、マイクを使わずに歌ったりします。
エコーをきかせる、マイクのヴォリュームを上げるなどの行為はバンドマンはしません。


ギターやベースでは家で練習する場合とスタジオで練習する場合をわけることができます。
メトロノームを聴きながらごまかしのない音で練習するには家で、
実際のライヴなどを想定して練習するならばスタジオでという感じでしょうか。
演奏技術を高めるには家での練習とスタジオでの練習を併用して使い分けていくのが良さそうです。


練習の目的が「音を作ること」であるとき、家→スタジオの2段階でおこなうのが効率がいいです。

音を作るためにはスタジオなどの大音量で鳴らせるところでなければ意味がありません。
ですが最初からスタジオに入っていたらお金がかなり多くかかってしまいます。

いい音というものはアンプやエフェクターをいじってすぐにできるというものではありません。
かなり多くの時間を費やすのです。

ですから最初は家でだいたいの音を作って、最終的に出したい音をイメージしておくのです。
そしてスタジオに入ったとき、家で設定を作ってきた音を実際に鳴らしてみて、
イメージしていた音に近づけるように調整していくのです。

音を作ることはスタジオでしか意味がないのですが、その中でも家でできることがあります。
順にステップを踏んでいけばスタジオはお金がかかるというデメリットを減らしていけるのです。

音を作るには家とスタジオの2段階でいきましょう。


Vol.8 メリットをいかした使い分け(バンド編)


バンドで練習など集合する場合について考えてみましょう。

バンドで練習など集合する場合は大きく分けると3つあります。
「曲作り」、「練習」、「ミーティング」です。

これら3つの練習の目的それぞれについて、家とスタジオとではどちらが有効なのかを考えてみましょう。


バンドで曲作りをするときには家もスタジオも両方使えます。

バンドの目的が演奏力を高めることではなくて曲を作ることですから、
スタジオを借りるよりもメンバーの家に集合して小さな音で曲を作るほうがお金がかからなくていいでしょう。

ただしアレンジが進んできた段階で、どんな音色で弾きたいなどの細かい部分を決めていくときには
やはりスタジオを借りて大きな音で鳴らしてみるのがいいでしょう。


これとは別に、スタジオで適当に合わせていて曲ができるということもあります。
曲の作り方にもよりますね。

スタジオでコードだけ決めて適当に弾きながら曲を作り上げていくこともありますし、
家でコードとおおまかなリズムを考えてきてスタジオでやってみるということもあります。

作曲者が家で新曲の全パートをほぼ完璧に作ってきて、メンバーそれぞれが練習し、
最終的にスタジオで細かいアレンジなどの調整をしてみることもあります。

どこまでを家で作ってどこからスタジオでやっていくか、
スタジオに入って曲を作る段階になっていたとしても家でできることはないのかなど、
バンドそれぞれですが、バンドでの曲作りは家とスタジオを工夫して使い分けていけばよいのではないでしょうか。


バンドで練習をするときはスタジオです。

バンドの音というものを作っていくためには大きな音量で鳴らして音のバランスなども見なければなりません。
バンド全体のレベルを上げるのならば
他のメンバーが大きな音で弾いているのを聴いていろいろなことを指摘していくのが良いでしょう。
ライヴを想定したのならばステージングの練習もしたいところです。


バンドでミーティングをするときには家で、といいたいところですが意識レベルが低いとまったく意味がありません。
お金はかかってしまいますが、場合によってはスタジオを借りてミーティングをしてみるのもいいかもしれません。

毎週4〜5回スタジオに入っているというバンドも数多くあります。
ですがスタジオを借りなくてもできる練習までスタジオでやっていませんか?
必要以上にスタジオにお金をかけていませんか?
お金の無駄遣いになってはいませんか?


Vol.9 お金があれば絶対スタジオ?


「スタジオに入ることのデメリット?」は、
お金がかかることと、スタジオに往復するために多少の時間がかかることくらいでしょうか。

スタジオは環境がいいのですから、
時間に関していえば交通に多少の時間がかかったとしても家で同じだけ練習するよりずっと効率的です。
ですから実際にはお金に関してだけの問題だともいえます。

では、金銭的に大丈夫だったらできる限りスタジオで練習したほうがいいのでしょうか?


これはよほどお金が有り余っているという人はらばYesなのかもしれませんが、
一般的な人にとってはNoです。

確かにできる限りスタジオで練習したいものです。
ですがスタジオに入ってお金を使うことで練習以外の部分にデメリットを作ってしまうような場合はオススメできません。
家とスタジオのバランスを考えて利用していくのがいいでしょう。


具体的に練習以外の部分のデメリットとは
「お金を稼がなければならないこと」と「お金を節約しなければならないこと」です。

スタジオにお金を使ったのなら、
そのぶんのお金は稼がなければならないか、節約しなければならないのです。

高いスタジオ代を稼ぐためにふつうの人よりも多くバイトをして時間を使ってしまったのならば、
「スタジオは環境がよいので時間的に有益である」ということは意味のないものになってしまいます。
実際にほかのことで多く時間を使ってしまっているのですから当然ですよね。

「金は時なり」なのです。


スタジオ代でお金を使ってしまって他のことにお金がまわらないのならば、これも大きなデメリットです。

「他で節約してバンドで使うことの何が悪いんだ?」って思うかもしれません。
しかし考えてみましょう。
演奏が上手いバンドが売れるといえますか?

答えはNoです。
だからといって演奏が下手なバンドのほうが売れるというわけではありません。

演奏が上手いということはバンドが売れるためのほんのひとつの要素にすぎないのです。
あなたの知っているバンドでも演奏が下手なのに売れているバンドっていませんか?

家で練習してスタジオ代をおさえ、新しい衣装を買ったとしましょう。
見た目もバンドが売れるひとつの要素なのです。

家で練習してスタジオ代をおさえ、映画を見に行ったとしましょう。
それによって感性が育ち、いい曲を作れるようになるかもしれません。
それもバンドが売れるひとつの要素なのです。

また、お金があれば宣伝もできます。


お金をほとんどスタジオにつぎ込んでしまうのではなく、
もっと広い目で演奏以外の分野も見てバンドを動かしていく方がいいのではないでしょうか。


Vol.10 遅刻はバンド全体が損をする


スタジオなどに集合しようとすると遅刻するメンバーが出てくるものです。
無駄をなくすことの第一歩は遅刻をしないことです。

最初はメンバーが我慢すればいいだけの問題だと思うかもしれませんが、
活動の規模が大きくなるほどそうではいかなくなります。

誰かが30分遅刻したとしましょう。

5人のバンドだった場合、残りの4人のメンバーそれぞれが30分の損をします。
30分×4で合計で2時間の損ですよ。

もしこれがイベントスタッフやメンバーも含めて100人のイベントだったとしましょう。
30分×100で50時間の損失を出したことになります。
バンドが大きくなるにつれてこの人数も増えていきます。

遅刻をしたためにほとんど仕事が入ってこなくなったという話を聞くこともあります。

それが遅刻をした人だけだったならその人が悪いのだから当然だとは思いますが、
あなたのバンドのほかのメンバーが遅刻をしたためにバンドに仕事が入らなくなってしまったらどうしますか?

損害賠償しろくらいのレベルになってきますよね。
実際はそれ以上のことをするという人も多いのでは?

遅刻が多いためにバンドをクビにしたという話もよく聞きます。

これは間違ったやり方ではありません。
遅刻を注意しても直らないようなら、
あなたのためにもバンドのためにも、将来あなたのバンドを支えてくれる大勢のスタッフのためにも
クビにしてしまったほうがいいと考えることもあるのです。

遅刻はまわりの人に迷惑をかけ、まわりの人に損をさせるだけではなく、遅刻をした人自身の損にもなります。

あなたが遅刻をしても、ほかのメンバーに遅刻をさせてもあなたは損をしますよ。

1人の遅刻で全員が損をするのです。

スタジオにすこし遅刻するくらいならある程度は我慢できるかもしれませんが、
将来的にあなたの信用、名声、財産などをなくしてしまう可能性がかなり高いのです。
遅刻が多い人はあなたにとってもかなり危険な存在なのです。

あなたが被害者にならないためにもメンバーに遅刻をさせてはいけません。
もちろんあなたが遅刻をしてもいけません。

大勢の人に迷惑がかかる前に、スタジオなど普段の集合のときから遅刻を直させていくことを心がけましょう。
遅刻がなくならない限りライヴには出演しないなどの徹底的な対策をとるのもいいかもしれません。

「遅刻癖」は病気の一種です。

遅刻をしないように10分早く起きようと目覚ましをセットしても、
起きたときにはあと10分時間があるからと思って二度寝してしまい結局は遅刻をする。
遅刻をする人はそんなものです。

「結局遅刻する人は遅刻する、そういう病気なのだ」と唱えている学者もいるらしいのです。
生活習慣病のようなものですから、意識して直して(治して)いかないかぎり遅刻がなくなることはないでしょう。


では、遅刻の対処法を考えてみましょう。

遅刻に対するもっとも一般的な対処方法は罰金をとることです。

実際に多くのバンドでこの方法が使われています。
僕が今まで参加してきたバンドでも何回かこの方法がとられました。

バンドの経費を使う財布を準備しておいて、
遅刻した人がその財布に1000円の罰金を払うという方法をとったこともあります。

遅刻をした人が遅刻した時間のぶんのスタジオ代を払うという方法をとったこともあります。
また、遅刻をしたらその日のスタジオ代を全額支払うという方法をとったこともあります。

友達のバンドでは遅刻者が500円の罰金を払い、
ある程度たまってきたらメンバー全員で焼肉を食べに行くという焼肉貯金をやっているそうです。

僕がやったことのある遅刻の対処法の中でいちばん効果的だったのは2番目に紹介したもので、
遅刻をした人が遅刻した分のスタジオ代を払うという方法だったと思います。

遅刻をしたときに何分の遅刻でも同じ罰金であったなら
「どうせ遅刻だから何分遅刻しても変わらない」という理由で急ぐことをしなくなってしまう傾向にあるのです。

ですから遅刻をしてきた時間に応じて金額が変化したほうが効果があります。

しかし時間に応じて金額を変化させる方法でも、
少しの時間の遅刻に対しては罰金の計算が面倒くさいという理由から5分や10分の遅刻は許してしまうなどのようになり、
少しの時間の遅刻に対して甘くなってしまうことがあります。

僕のバンドでこの方法をためしてみたところ、大きな遅刻は減ってきたのですが
時間よりすこし遅れるというような小さな遅刻はまったく改善されませんでした。

このような罰金をとる方法の場合遅刻をしてきたメンバーは反省することなく嫌々ながら罰金を払います。

実際に罰金をとる方法では「罰」に対して意識が向くだけで「罪」に対しての意識は持ってもらえないのです。
罰金の制度をやめてしまったのならば、また遅刻をしてくるようになるでしょう。

では「罪」に対しての意識を持ってもらうには??

あなたのまわりでも、遅刻しそうなときは携帯に「ちょっと遅れます」ってメールすればいい
という感覚の人が多いのではないでしょうか?

携帯で手軽に連絡がとれるぶん罪悪感をほとんど感じなくなってきていて、
この罪悪感のなさが遅刻を増やす大きな要因になっています。

それが証拠に時間前行動をする人が減り、時間ちょうどに合わせて集合する人が増えてきています。
今まで時間ちょうどに集合していた人は少し遅れてもメールすればいいという感覚になってきているのです。

では、罪を感じてもらうにはどのようにすればいいのでしょうか?

これは実際のところよくわかりません。
ですが対策のひとつとして、スタジオに集合する日は全員携帯の電源を切っておくというのもアリかもしれません。
手軽に連絡がとれるということが罪悪感のなくなるひとつの要因なのですから、
手軽に連絡をとれないようにしてしまえば罪悪感を感じるようになるのではないでしょうか。

実際には「罪」と「罰」の併用がもっとも効果的なのではないでしょうか。

家に集合するような場合はどうしたらいいのでしょうか?
家に集合する場合はスタジオ代がかからないので、
遅刻した時間ぶんのスタジオ代を払ってもらうなどの方法がとりにくくなります。

メンバー全員が時間を無駄にしてしまうのですから罰金はあって当然だと思います。
ですが遅刻者にとっては「お金を払ってスタジオに入るわけでもないのに罰金?」という感覚なのです。


今、僕のバンドでは集合時間と同様に解散時間を決めるという方法をとっています。

「7時集合して9時に解散する」というように、集合と解散の両方の時間を決めておくのです。
これは多少ですが効果的です。

解散時間が決まっているので
「1時間も遅刻するようなことがあったならバンドのミーティングや曲作りがほとんど進まなくなってしまう」
というような時間に対する意識を持たせるのです。

遅刻をしてくるメンバーが「遅刻だなぁ」と思っても急ぐことをしなかったものが
「遅刻だから急ごう」に変わってくれれば少しずつ遅刻が減ってくるのではないでしょうか。

この方法では、決めた解散時間どおりに解散しないと効果がありません。
時間を延長すればいいという感覚になってしまったのなら遅刻は減らないのです。

ですが誰も遅刻をしなかったときは時間を延長して満足がいくまでミーティングや曲作りをします。
このあたりの融通がきくのが家に集合することのメリットでもあります


成功の秘訣はコミュニケーション
得するバンド活動への準備
音楽スタジオの利用方法
ライブへの出演と流れ
かっこいいライブの演出
レコーディング・音源制作