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バンド活動マニュアル
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Vol.1 レコーディングの方法と流れ


まずはレコーディングの場所を決めましょう。
レコーディングをする場所は大きく分けて3つあります。

・レコーディングスタジオ
・練習スタジオのレコーディングルーム、
・宅録(自宅録音)

ライヴハウスを貸切にしてレコーディングをする事もあります。


レコーディングスタジオは非常に高価です。
それに対して練習スタジオのレコーディングルームは比較的安く、1時間あたり5000〜10000円くらいで利用できます。
○時間レコーディングパックといった割引料金でやっているスタジオもあります。
エンジニアも付くので分からないことがあっても大丈夫です。

レコーディングでは、トラック数が増えると料金も増します。
8トラックのレコーディングなら○○円、16トラックのレコーディングなら△△円などのように料金が変わります。

トラック数とは同時に音を鳴らすことができる数です。
レコーディングできるパートの数と考えてしまってもいいでしょう。

例えば4トラックならば・・・
ヴォーカル
ギター
ベース
ドラム
このような録り方になるのではないでしょうか?

しかし実際には、ドラムのトラックを分けてみたり、ギターを数本かさねたり、コーラスを入れたりもするでしょう。
8トラックでは、かなり少ないと感じるはずです。
16トラックでレコーディングするバンドが多いのではないでしょうか?

ヴォーカル クリーンギター バスドラム 13 タム類(左)
コーラス1 歪みの音 10 スネアドラム 14 シンバル類(右)
コーラス2 ギターソロ 11 ハイハット 15 シンバル類(左)
ギターの刻み ベース 12 タム類(右) 16 ドンカマ
※ドンカマ(リズムを取るためのメトロノームの音)

このような感じで、より良い音を録るためには、トラック数はかなり必要になります。


レコーディングの方法は大きく分けて2つあります。

・全員で演奏して一度に録ってしまう方法
・パートごと順番に録っていく方法


全員で演奏して一度に録ってしまう方法を「一発録り」などどいいます。

一発録りのメリットは、臨場感やグルーヴ感を出しやすいことです。
また、全員一度に録音してしまうために、短い時間で録音が終わります。
時間がかからないぶん、レコーディング料金も安くてすみそうです。

しかし、デメリットもあります。
レコーディング後に「ヴォーカルだけにエフェクターをかけたい」など、様々な要望が出てくることもあるでしょう。
しかし、ヴォーカルのマイクからは他の楽器の音も混じって録音されているのです。
ヴォーカルにエフェクターをかけることで、一緒に録音されている他の音にも同じエフェクターがかかってしまいます。
つまり、レコーディング後の加工(エフェクト処理など)がしにくくなるのです。

また、一人でも間違えたら全員でやり直しになります。
精神的なプレッシャーもかかってくるのではないでしょうか?


それに対して、パートごと順番に録っていく場合、パートごとにエフェクト処理などが簡単にできるようになります。
しかし、ヴォーカルだけが浮いて聴こえるなど、音が混じらないといった現象が起きることもあります。
この場合、専門のエンジニアならば上手く処理してくれますが、宅録の場合はかなり苦労します。


その他にも、一発録りとパートごとのレコーディングを混ぜた形式もあります。

ドラムとベースだけ一緒に録って、他のパートは順番に録る方法、
ヴォーカル以外を一緒に録って、最後にヴォーカルだけ別に録る方法など、
最終的に出したい音の目的や時間のかけ方によってパターンは様々です。


まずは、機材の搬入です。

予約してある時間よりも少しだけ早く行き、スタジオに機材を持ち込んでおきましょう。
ルーム内に機材を搬入してもいいかどうかは、スタジオのスタッフに聞いてみてください。


当日は、レコーディングする曲のMDなど持っていくこともあります。
これはスタジオでの練習を録ったものでいいでしょう。

その音源を聞いてレコーディングのイメージをするエンジニアさんもいるのです。
逆に、音源を持っていってもイメージが固定されてしまうからという理由で
持ってきた音源を聞かずにレコーディングにとりかかるエンジニアさんもいます。

もちろん無くても大丈夫ですが、一応、持っていく方が良さそうです。


次に、レコーディング方法などをエンジニアを含めて打ち合わせします。

どのトラックに何を録音するのかを相談したり、どのような順番でレコーディングしていくのかを相談したりします。

メジャーなバンドの名前を出して、「○○のような音源を作りたい」などのような相談もいいでしょう。
そのバンドのCDを持っていき、実際に聞いてもらい、どんなイメージの音源を作りたいのかを伝えることもできます。
美容室に行くときに、雑誌などから希望の髪形の写真を探して切り抜きを持っていって見てもらうような感じです。


打ち合わせが終わればセッティングに入ります。

準備をするのはメンバーだけではありません。
エンジニアさんもマイクを立てて準備をしたりします。

打ち合わせの時間も、エンジニアさんが準備に使った時間も料金に含まれてきます。

しかし、いい音を録るためですから、じゅうぶんに納得してからレコーディングに入ったほうがいいでしょう。


レコーディングでは2つの部屋が使われます。

・レコーディングルーム
・コンソールルーム


まず、レコーディングルームには、実際に演奏しているメンバーだけが入ります。
レコーディングに余計な音を入れてしまわないように、音を出さないメンバーは、できる限り部屋から出ています。

指輪が弦にこすれるたり、マイクにあたる音などが入ってしまわないように、アクセサリーを外しておくこともあります。
足でリズムをとる場合、足音が入らないように靴を脱ぐこともあります。
演奏しやすいように、着替えをする人もいるかもしれません。

ヴォーカルの場合、モニターヘッドホンから流れている音を録音マイクが拾ってしまうことがよくあります。
そのため、ヘッドホンを両手でしっかりとおさえて歌います。


コンソールルームには様々な録音機材が設置されています。
レコーディングルームとは仕切りがされ、窓からレコーディングルームが見えるようになっています。

レコーディングスタジオの場合、コンソールルームは結構広々としていますが
練習スタジオのレコーディングルームを借りた場合にはコンソールルームが狭いところも多く、
通勤電車のような状態で立って聴かなければならないこともあります。

レコーディングルームとコンソールルームのやり取りは、マイクとヘッドホンを通しておこなわれます。


レコーディングをしていると弾き間違えてしまう場合もあります。
そんなときには最後まで弾かずに演奏を中断し、「もう1回お願いします」などといいます。

演奏がなんとなく気に入らなかったときなども録り直します。

今回の演奏は良さそうだと思ったら「聴きます」などと言って
コンソールルームに行って録音された演奏を聴かせてもらいます。

同じ演奏を何回か録り直したとき、前のテイク(前回の録音)がよかったということもよくあります。

微妙な感じのときは上から録り直してもらうのではなく、
「キープでお願いします」などと言って録音したものをキープしておいてもらい、別のトラックにもう一度録ってもらいます。
そしてもう一度録音した後、2つを聴きくらべていい方を選んだりします。


他のメンバーがレコーディングしているとき、待っているメンバーは、
コンソールルームに入ってエンジニアの後ろで演奏を聴いていたり、外に出かけて時間をつぶしたりしています。
家に帰ってしまうメンバーもいるかもしれません。

レコーディングが数日間かかっておこなわれる場合、
自分のパートのレコーディング予定がない日はスタジオに来ないこともあります。


Vol.2 ミキシング・トラックダウン


全員のレコーディングが終わるとミキシングが行われます。

ミキシングとは、各トラックに録音されている音を混ぜ合わせることです。
基本的には、それぞれのトラック(パート)について、次の3つを決めます。

・トラック(パート)のアウトレベル
・トラック(パート)のトーン
・トラック(パート)のパン

アウトレベルは音量(ヴォリューム)のことです。
ヴォーカルをもっと大きく、ハイハットをもっと小さくなど、
トラック(パート)ごとに音量のバランスを調節します。

トーンは音色です。
ヴォーカルの低音を増幅(ブースト)させるか、減衰(カット)させるか、
ベースの高音を(ブースト)させてギターの中音を減衰(カット)させるなど、
トラック(パート)ごとに音の特徴を決めます。

パンは出力される音の左右の位置です。
ギターソロを左のスピーカーから鳴るようにする、少しだけ真ん中よりにする、極限まで左に寄せるなど
トラック(パート)ごとに音の出る左右の位置(パンの振り具合)を調整します。


最初にエンジニアの方でおおまかなミックスをしてくれます。
好きなアーティストのCDを持ち込んで、「こんな感じのバランスで」と説明することもできます。

そして、エンジニアさんが作ったミックスに対して、
メンバーの方で要望や注文を言い、よりイメージに近い形に仕上げていきます。

音量、トーン、パン、それぞれ何でも注文してみましょう。


音量は、ある程度エンジニアさんに任せてしまう方がいいかもしれません。

1曲だけで考えれば、メンバーの好きな音量バランスでいいでしょう。

しかし、同じ音源に2曲以上入れるような場合、
それぞれの曲がメンバーの好きな音量バランスだったとしても、
2曲を連続して聴いたときにバランスがくずれて聞こえることがあります。

曲が変わったら急にヴォーカルが聞こえにくくなったなど、
1曲目と2曲目それぞれのヴォーカルの音量のバランスが悪いこともあります。

同じ音源に入る他の曲と比べて差がありすぎないように注意が必要ですが
1曲ごとに考えていると、なかなかバランスをとることは難しいです。

ここは、経験を積んだエンジニアさんにお願いしたいところです。


また、ミックスの段階で、特定のパートにだけエフェクターをかけてもらうこともできます。

しかし配線の問題上、多くのエフェクト処理することができないので、レコーディングの時点で音を作っておいた方がよいでしょう。
歪みの音などは先に作っておいてレコーディングし、後から空間系のエフェクターだけをかけたりなどもできます。

全体に対してエフェクターをかけてもらうこともできます。


ミキシングが確定すると、今度はそれを2つのトラックにまとめます。
左(L)のトラックと右(R)のトラックです。

何トラックもあったものを2つのトラックに減らす作業ですので、TD(トラックダウン)と呼ばれます。
そのままTD(ティー・ディー)と言うことも多いです。
また、ミックスダウンと呼ばれることもあります。


TDが終わってやっと完成なのですが、レコーディングが終わってTDは翌日などの場合、
とりあえずその時点までの音源が欲しいものです。

そんな場合、「ラフ(ラフミックス)を下さい」と頼んでみるといいでしょう。
しっかりとしたミキシングは翌日におこなうとして、だいたいのミックスがされた音源を作ってもらえます。

ラフとは言っても、作ってもらえる音源は結構しっかりとしたものです。
エンジニアさんのプライドがかかっているのかもしれませんね。


Vol.3 マスタリング


トラックダウンまで終了した音源はDATで渡されるのが通常です。

曲数が少なく、同じ日に同じスタジオで同じエンジニアが担当した場合、
それをそのままマスター音源としてしまうこともあります。

マスターとは複製する元となる音源のことで、
その音源をそのままコピーして使ったりします。

スタジオによっては、ライトワンスCDにしてくれるところもあります。


しかし通常では、トラックダウンの後にマスタリングが必要になります。

マスタリングとは、レコーディング後にトラックダウンしたものを
今度はマスター音源にするための作業をいいます。


もしマスタリングをしないでマスター音源を作ると
CDやラジオなどの複数の媒体から同じMDに録音したときのように
曲が変わったら急にヴォーカルが聞こえにくくなったり、
曲が変わるたびに急にヴォリュームが変わったりしてしまいます。

・同じCDに入れる曲を複数のスタジオで別々にレコーディングした場合
・同じCDに入れる曲を日にちを変えてレコーディングした場合
・同じCDに入れる曲のレコーディングを別々のエンジニアが担当した場合

これらの場合は特に、曲ごとのヴォリュームや音の特色が違います。
それらをひとつの作品にするので、マスタリングが必要になります。


マスタリングでは、エフェクター(主にフィルター系)をかけたり、曲ごとのヴォリュームを調整していきます。


マスタリングの最初はエフェクト等での処理で、コンプレッサーとイコライザーの処理が中心です。
音の特色を決め、ひとつの作品にイメージを持たせます。
ここでもTDのときと同じように、好きなアーティストのCDを持ち込んで、「こんなイメージで」と説明する事もできます。
トラックダウンの時点で2トラックにまとめられているので、パートごとにエフェクト処理をすることはできません。

曲ごとに音量調整もおこなわれます。
こちらも同様に、パートごとのヴォリューム調整はできません。
曲全体のヴォリュームを他の曲と比較して調整します。

最後に曲間調整です。
ある曲から次の曲への変わり方を決めるなど、曲と曲の間を調整します。

「曲間が2秒か3秒か」で大きく印象が違います。
「曲間が0.5秒か0.6秒か」でも大きく印象が違います。
前の曲の音を少し残しながら次の曲に入りたいということもあるでしょう。

このような曲間の調整がおこなわれます。

曲間をうまく調整していき、CD全体でちょうど30分00秒といったネタ的なことをする場合もあります。


マスタリング専用のスタジオもレコーディング専用スタジオと同じように非常に高価です。

商業ベースにのせる作品でないならば、同じ日・同じスタジオ・同じエンジニアでレコーディングして
マスタリングを省いてしまう方がお手頃かもしれません。


Vol.4 MTRでの自主レコーディング


宅録(自宅録音)の場合は、お金がかからないメリットがあります。
宅録+歌を録るときだけスタジオを借りるなどの方法もいいでしょう。

しかし、レコーディングのための機材をすべて自分達で用意しなければなりません。
また、エンジニアもいないのでメンバーの誰かが担当しなければなりません。
ミキシングも自分達でおこないます。

もしレコーディングの知識と経験が豊富ならば、練習スタジオのレコーディングルーム以上の品質に仕上げることも可能です。
しかし、そうでない限り商用レベルの品質に仕上げるのは難しく、
無料配布用のデモテープやライヴ会場で手売りする音源が限度でしょう。


今回は自宅やスタジオなどで、自分達だけでレコーディングする場合、MTR(マルチトラックレコーダー)が使われます。
MTRにはカセットタイプ、MDタイプのものなど、様々なものがありますが、HDR(ハードディスクレコーダー)が主流です。

MTRを選ぶときには、まずトラック数ですね。
トラックの数だけ別々に録音していくことができるのでトラック数は重要です。

ここでMTRには次のようなこともできます。

ドラム そして、録音した複数のトラックを
空けてあったトラックにまとめてしまいます
→  →  →  →  →
ドラム
ベース ベース
ギター ギター
(空けておく) ドラム&ベース&ギター

1つのトラックにまとめることで、今まで使っていたトラックが不要になります。
いらなくなったトラックを消せば、そのトラックが空いているトラックとなり、また別のものを録音することができます。

(空き状態) そして、録音した複数のトラックを
空けてあったトラックにまとめてしまいます
→  →  →  →  →
ヴォーカル
(空き状態) コーラス
(空き状態) キーボード
ドラム&ベース&ギター ドラム&ベース&ギター

ですが一度トラックをまとめてしまうと、
たとえばドラムの音量だけを上げたい場合、同じトラックにまとめられたベースやギターの音量も上がってしまいます。
また、一度まとめてえば元にもどすことができません。

もともとトラック数が多ければ、音をまとめる必要がなくなるのですから、
MTRのトラック数が多いことは重要なのです。


MTRを使って質の良いデモテープを作るためには、次のような項目もチェックしておきたいところです。


1.サンプリングレート(サンプルレート)

レコーディングでは、ずっとつながって録音しているように見えますが、
実際は1秒を数万回に区切って、その瞬間の音量だけを次々に記録していきます。
そしてそれを連続再生することで、音がつながって聞こえるのです。

1秒間をいくつに区切るかをあらわしているのがサンプリングレートです。
もちろん細かく区切ったほうが音は良くなります。

サンプリングレート単位はヘルツ、キロヘルツを使います。
ちなみに普通のCDでは、44.1 kHz(44100 Hz)で記録されています。

この数値が大きくなると、高音部分が表現豊かになります。
逆に、この数値が小さくなるほど高音が削られてしまいます。


2.ビット数

先ほどのサンプリングレートで細かく区切った1回1回のタイミングで
その瞬間の音量をどれだけ細かく記録するかがビット数です。

細かく記録するほど、それを連続再生したときに音が滑らかになります。
1ビット大きくなるごとに、音量を2倍細かく記録します。

ちなみに普通のCDでは、16ビットで記録されています。


これらのような点もチェックしながらMTRを選んでみてはどうでしょうか。


成功の秘訣はコミュニケーション
得するバンド活動への準備
音楽スタジオの利用方法
ライブへの出演と流れ
かっこいいライブの演出
レコーディング・音源制作