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>音楽理論導入のすすめ
 >バンドマンのための音楽理論基礎・導入編


Topics1 なぜ音楽理論が必要?


かなり売れているバンドでも音楽理論を知らない人は大勢います。
メジャーでも音楽理論を知らない人は大勢います。

音楽理論を知らなくても、バンド活動はできます。
音楽理論を知らなくても、いい曲を書くことはできます。

それなのに、なぜ音楽理論が必要と言われるのでしょうか?


バンドの場合、アレンジで重要になってくるのです。

たとえば、リードギター、サイドギター、ベースの3人がいます。
そして、サイドギター、ベースの2人が理論を知っていて、リードギターだけ理論を知らなかったとしましょう。

サイドギターとベースの2人が理論を知っていることで、スケールどおりにアレンジをしました。
では、この2つの音に、リードギターをのせてみます。

リードギターは音楽理論を知らないのですから、2人の音を耳で聴いて、それに合うようにアレンジをします。
このときのリードギターの音がスケールにのることもありますし、スケール外の音を使うこともあるでしょう。
不協和音でも、雰囲気が出て「いい音」というものはたくさんあります。

ここまでは、ほとんど何も問題ありません。


では、その後でベースがアレンジを変える場合・・・
理論どおりにベースラインを組み立てていったとしても、「悪い音」の不協和音になります。
「いい音」の不協和音になるのは偶然でしかなかったのです。

結局はベースも理論から外れ、音を耳で聴いて、それに合う音を探し出さなければならなくなります。
ですから、アレンジが大変になってしまうのです。


さらにライブのときなどで、
弾くフレーズを忘れてしまった場合、「とりあえずコード上の音を弾こう」ということになるのですが、
こんなときにも「悪い音」の不協和音が発生します。

理論に基づいてスケールに音がのっている場合はフレーズを変えても大丈夫なのですが、
スケールを無視した音でバンドの音を作っている場合、フレーズが変わることで「極端に悪い音」になることもあるのです。
つまり、「いい音」の不協和音は、そのフレーズのとき限定でしか「いい音」にならないことが多いのです。
ですから、アドリブがきかなくなってしまうのです。


もちろん理論に沿って、そのままの音楽ではつまらないこともあるでしょう。

そのようなときには、メンバーが合意のうえでスケール外の音を入れてみたりするのです。
まずは理論をおさえ、そのうえでバンドで応用させていくのです。


バンドでは、音楽理論は完璧に覚える必要はありません。
ある程度で大丈夫です。

最低でも、「この曲ではEのコードはメジャーを使うべきか、マイナーを使うべきか」くらいは
理論から判断できた方がいいでしょう。


Topics2 音の性質と種類


音というものは空気の振動であることを知っていましたか?

楽器などをを弾いたり、物をたたいたりするとその物体は振動します。
物体が振動することによって空気も振動します。
その空気の振動があなたの耳に伝わったときに鼓膜が振動して音が鳴ったと判断されるのです。

いろいろな種類の音があったり、あなたが2つの音を違う音だと判断できたりするのは、
その振動の様子が違うことが原因です。
つまり振動の様子で音が変わってくるのです。

振動の違いによって音の性質が決まってきます。

音には4つの性質があります。
順に紹介しましょう。


@ 音の高さ(高低)

音の高さは、ある一定の時間内に何回振動したかによって変わってきます。
ある一定の時間内に振動した回数が多ければ多いほど高い音になり、振動した回数が少なければ低い音になるのです。

音の単位時間内に振動する回数を振動数(しんどうすう)といいます。
わかりやすくいえば、1秒間に振動した回数を振動数というのです。

音の高さは、この振動数を基準に決められます。
振動数の少ない音ほど低い音になり、振動数の多い音ほど高い音になるのです。
振動数は「Hz(Hertz/ヘルツ)」という単位を用いて表します。


振動数とは逆に、振動の周期(しゅうき)から音が高いのか低いのかを知ることもできます。

周期というのは、1回振動するのにかかる時間のことをいいます。
音が振動する周期が長くなれば振動数は少なくなり、低い音になります。
逆に、音が振動する周期が短くなれば振動数は多くなり、高い音になります。振動数の単位は「秒」で表します。




A 音の強さ(強弱)

音の強さは振動の揺れの大きさによって決まります。
振動の揺れの大きさを振幅(しんぷく)といい、音を波形で表したときの上下の幅を指します。
振幅が大きいものほど強い(大きい)音になり、振幅が小さいものほど弱い(小さい)音になります。




B 音の長さ

音の長さは振動している時間の長さで決まります。
振動しはじめてから振動が終わるまでの時間全体の長さのことで、振動の周期とは違うので注意して下さい。

楽器では音を鳴らしてから時間がたつにつれて少しずつ振幅が小さくなってきて、
しばらくすると自然に振動が止まってしまいます。

また、鍵盤から指を離したりギターの弦をミュートしたりすることにより、
わざと振動をなくすこともできますし、振動の減衰を早めることもできます。
振動の減衰とは振幅が徐々に小さくなっていき、振動が弱まることをいいます。

長い時間の間、振動している音ほど長い音になります。




C 音色

発音する楽器そのものの特徴で音の違いが出てきます。

全く同じ高さ、強さ、長さの音であっても、楽器によって音は違います。
たとえば、ピアノとギターで全く同じ高さ、強さ、長さの音を弾いたとしても聞こえる音は違ってきますよね?

楽器によって音が違って聞こえるのには様々な理由があります。

楽器の音などで純粋な音は存在しません。

たとえばギターを使って400Hzの音を鳴らしてみたとしましょう。
しかし実際に出てくる音は400Hzの音だけではありません。
出てくる音には倍音(ばいおん)と呼ばれる、もとの音の2倍、4倍、…の周波数の音が同時に含まれているのです。
この場合では800Hz、1.6kHz、・・・の音が一緒になって出てくるのです。

この倍音の含まれ方は、楽器の種類によって違ってきます。
ですから全く同じ高さ、強さ、長さの音であっても、楽器によって音が違うのです。

ある強さの音を鳴らした場合、その音の減衰の仕方も楽器によって異なります。
早く音が消えてしまう楽器もありますし、一度音を鳴らしたらなかなか音が消えない楽器もあります。
ですから音の減衰の仕方によっても音が違ってくるのです。

これら倍音の含まれ方や減衰の仕方は、楽器の種類で決まるというだけではありません。
その楽器に使われている材質によっても違いますし、弦が新しいか古いかによっても違います。
同じギターという楽器であってもメーカーによって音は違いますし、弦によっても音が違ってくるのです。

また、弾き方によっても違ってくるでしょう。
そのため、まったく同じ楽器でも音は異なるのです。

実際にメーカーもモデルもまったく同じギターであってもよく音を聴いてみると違いがわかることでしょう。
実際にまったく同じ音というものは存在しないのです。

ですが、そこまで細かく言っていたらキリがないので、
「これは何の楽器の音色」というように楽器ごとおおまかにグループ分けをして使われているのです。


では次に、音の種類についてです。
音には楽音(がくおん)と噪音(そうおん)があります。

楽音(がくおん)とは規則正しい振動によってできる音をいいます。
わかりやすく言うと音程のある音のことです。

楽音はその音の高さにしたがって一つ一つに名前がつけられています。
それぞれの名前を音名(おんめい)といいます。
音楽は楽音が組み合わされてできています。

楽音の振動数はおよそ30Hzから4000Hzまでの間のもので、これより多くても少なくても音楽に用いるには適していません。
その理由は人間が聴き取ることのできる音の振動数が限られているためです。
人間は、およそ30Hzから20kHz(キロヘルツ:1kHz=1000Hzなので、20kHz=20000Hz)まで聴き取ることができます。
それよりも低かったり高かったりする音は聴き取ることができないのです。
そのためCDでは20kHzの約2倍の44.1kHzまでの書き込みがされています。

なぜ人間は20kHzまで聴き取ることができるのに4kHz(=4000Hz)までしか楽音が適していないのか疑問に思いましたか?

これには理由があります。
楽器の音などでは、純粋に4kHzという音は存在しません。
楽器で弾いた4kHzの音には、8kHzや16kHz・・・が含まれています。
これらの倍音をすべて含めて音色が成り立っているので、
倍音が聞こえない音ということは音色がわからないということになってしまうのです。

つまり、人間が聴き取ることのできる限界の20kHzの音を鳴らしたのでは、
耳で音を聴くことはできても何の楽器の音なのかがわからなくなってしまうのです。
そのため、音色を聴き取ることができる最も高い音は約4kHzあたりまでと言われているのです。

ですが人間の耳が進化したのでしょうか?20kHzよりも高い振動数の音を聴き取ることができるようになってきました。
それによって今まで44.1kHzまでしか記録していなかったCDから、
より高い音を記録できるメディアとしてSuper Audio CDやDVDオーディオが登場したのです。
実際には高い音を聴くためというよりは良い音を聴くためでしょう。
これらは音の大きさよい細かく表現することができるのです。

楽音とは別に、不規則な振動によってできる音もあります。
たとえば太鼓の音や足音などは不規則な振動によってできる音です。
これらの音を噪音(そうおん)または雑音(ざつおん)といいます。

噪音は高さが不安定なため通常は楽曲に使用しません。
しかし、これら噪音の中でも太鼓やシンバルなどはリズム楽器として使用します。
また、足音やガラスの音などを効果音として音楽に用いることもあります。

噪音の中にも、不安定ながらも音程をほぼ一定にあらわすことが出来るものもあります。
ドラムセットのタム類などは、皮の張り方などによって音程を変化させ、高さの違った音を楽曲内であらわすことが出来ます。
タムまわしなどによって音程変化をさせることもできます。


Topics3 音楽の三要素


音の高さをあらわすために音名(おんめい)がつけられました。
楽音に付けられている音名は、日本や欧米諸国によって、それぞれ異なったものが用いられています。

日本では、「いろは47文字」から、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トの7文字を順番にとって音名にあてています。
そのため、音名はすべて1文字ということになります。

日本では、音楽にかかわりのない人たちの間ではイタリア名のド、レ、ミ…が主に使われるようになっていますが、
音楽理論の出版物では、今でもイ、ロ、ハ…を用いられています。
音楽理論や作曲の学習には、おもにドイツ音名を用います。
ギターのコードなどでは英名・米名のA、B、C…を用います。

僕は英名・米名のA、B、C…に慣れているので、
このサイトでは英名・米名のA、B、C…の書き方で紹介することが多くなると思います。
それにバンドマンのあなたにとっても英名・米名のA、B、C…の書き方が一番わかりやすいのではないでしょうか?

日本 「ハ」 「ニ」 「ホ」 「ヘ」 「ト」 「イ」 「ロ」
アメリカ・イギリス 「C(シー)」 「D(ディー)」 「E(イー)」 「F(エフ)」 「G(ジー)」 「A(エー)」 「B(ビー)」
ドイツ 「C(ツェー)」 「E(エー)」 「G(ゲー)」 「A(アー)」 「H(ハー)」
イタリア 「Do(ドー)」 「Re(レー)」 「Mi(ミィ)」 「Fa(ファ)」 「Sol(ソール)」 「La(ラァ)」 「Si(スィ)」
フランス 「Ut(ユット)」

ドイツと米・英で用いているものは、アルファベットの最初の7文字を取ったもので、
ドイツは、B(ベー)のかわりにH(ハー)を用います。
書きあらわし方の違いはこれだけですが、発音が違うものがいくつかあるので注意が必要になります。

イタリアとフランスの音名とではUt(ユット)とDo(ドー)のちがいがあるだけで、
あとは文字の綴り方も読み方も全く同じになります。

このように楽音に音名が付けられることにより音の高さを表現することができ、
異なる高さの音と区別することや、その音を記憶するにも都合がよくなります。
また、楽譜を読むときにも便利になります。

各国の音名の呼び方はそれぞれ違ってはいますが、
どの国でも異なる高さを持った七つの楽音を基礎として音楽が作られています。
この七つの音を幹音(かんおん)と呼びます。


音楽には3つの要素があります。

@ 律動

音楽の中で、音の長短、強弱の繰り返しを律動(りつどう)またはリズムといいます。


A 旋律

音の高低の時間的な組み合わせを旋律(せんりつ)またはメロディーといいます。


B 和声

高さの違う2つ以上の音が同時進行するものを和声(わせい)またはハーモニーといいます。


音楽では、律動をもとにして旋律をのせていきます。
そしてこれらの旋律が組み合わさって和声ができてきます。
これらの3つの要素を順に組み立てていくことで音楽が成り立っているのです。

律動・旋律・和声の他に、歌詞や噪音などによるS.E.(エス.イー)「sound effectの略」を加えたものを楽曲といいます。


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